データと分析

データを元に、道祖神の分布・広がりを自分なりに分析してみました。


エリア別 形状分類

エリア別に形状で分類した比率を積み上げ棒グラフ(%)で示します。
(”その他”には、自然石・陰陽石・丸石・木祠・道標・神社・判読不明を含めます。)

()内は、そのエリアの総基数です。

  1. 全体としては、双体と伊豆型・文字碑・単体・石祠やその他が混在しています。
  2. エリア別には、分布が異なり、地域性が出ています。
  3. 静岡県東部は、その周辺を含む全エリアの傾向が反映されているようです。
  4. 伊豆では、伊豆型が多く、双体が少ないことが特徴です。
  5. 神奈川県西部では、双体が多く、静岡県東部の双体に影響を与えているようです。
  6. 山梨県・南都留・峡南では、双体と文字碑が多い。

静岡県東部 市町村別 形状分類

  1. このエリアの北寄りに位置する富士宮市・御殿場市・小山町では、双体と文字碑の比率が高い。
  2. 伊豆に近い、沼津市・長泉町・清水町では、双体は少なくなり、単体と伊豆型が主流となります。
  3. 富士川以西(静岡市・富士川右岸)には道祖神が少なく、山梨県側や富士・富士宮からの伝播は少なかったようです。

静岡県伊豆 市町村別 形状分類

  1. 南伊豆と西伊豆には、伊豆型が浸透していません。石材の調達や石工の力不足などから、より安易な石祠が普及したと考えます。
  2. 中伊豆・東伊豆では、伊豆型が普及しています。
  3. 北伊豆では、伊豆型の比率は少なくなり、単体が増えています。

神奈川県西部 市町村別 形状分類

  1. 湯河原町と真鶴町では、伊豆型が多く、伊豆の影響を受けているのか、それとも伊豆型の発祥地だったのでしょうか?
  2. 湯河原町と真鶴町以外の神奈川県西部では、双体が主流となります。
  3. 箱根町は、他の市町と違う傾向を見せています。

山梨県 南都留・峡南 市町村別 形状分類

  1. 山梨県の南都留(富士山麓)では、文字碑と双体が他を圧倒します。
  2. 山梨県で主流といわれる丸石は、南都留・峡南ではそれほど多くありません。
  3. 南部町には、道祖神は1基しかなく、身延町からの伝播は無かったようです。

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