どりびあ
道祖神にまつわる雑学を記してみました。
道祖神に限らず、石造物本体もしくはその台座などに、すり鉢のような穴が穿たれているものがあります。
ネット上では、”盃状穴(はいじょうけつ)”と呼ぶことがあります。
伊豆型道祖神と単体道祖神は、ニニギノミコトの道案内をしたサルタヒコノミコトと考えられます。猿田彦命は男の神様です。
男の神様であるにもかかわらず、女性がする短い垂髪(すいはつ)にしている場合が良く見られます。
双体道祖神には、男神と女神が一緒に刻まれているものが多いようです。この場合、男神は猿田彦命であり、女神は猿田彦神の妻であるアメノウズメノミコトといわれます。ニニギノミコトの降臨の際に、アメノウズメノミコトはサルタヒコノミコトに、道案内を勧めたといわれています。
道案内としての信仰に加えて、男女一緒の姿から、夫婦和合・子授けの神としての信仰が派生したといわれています。
摩滅した道祖神などての性別の判断は難しくなります。元々性別が無い像もあるようです。性別についての決まりは無いようです。二体の神像を見比べた時、身長の違い・衣服・持物・髪の形などの見掛けで判断することができることがあります。
左右の神像の背の高さが、ほぼ同じものがあれば、左の神像が高いものや、右の神像の背が高いものもあり、統一されていません。
長野県には信州系と呼ばれる双体道祖神(抱擁か握手)が多く、9割もの双体は、向かって左に女神・右に男神を祀っているそうです。
新しく作られた双体道祖神の場合は、信州系の姿をとることが多く、男神と女神の区別は明瞭です。
日本神話にでてくる話です。
火の神であるカグツチを産んだ際にイザナミは火傷を負って命を落としてしまいます。 その後、妻を失い悲しみにくれたイザナギは、妻に会いたい一心で黄泉の国へ行きました。 真っ暗な洞窟を降りていくと、黄泉の国の扉の前に着きました。
イザナギはイザナミに向かって「帰って来て欲しい」と声をかけると、扉の向こうから「黄泉の国の神に頼んでみますので、決して中を覗かずに待っていて下さい」と言うイザナミの返事。 イザナギはしばらくの間待ち続けましたが、なかなかイザナミは出てきません。
しびれを切らしたイザナギは約束を破り扉を開き、髪にさしていた櫛の歯を一本折って火を灯してしまいます。 するとそこには、醜い姿に変わり果てたイザナミがいたのです。 その恐ろしい容貌を見てイザナギは思わず逃げ出してしまいますが、姿を見られて怒ったイザナミは黄泉の国の醜女や雷神たちと共にイザナギを追いかけます。 イザナギは無我夢中で地上へと続く洞窟を駆け上がり、ようやく黄泉の国との境目「黄泉比良坂(よもつひらさか)」に辿り着きます。 そこには桃の木が生えており、それを目にしたイザナギは追ってきた黄泉の国の住人たちに桃を投げつけました。 すると桃が持つ魔除けの効果によって皆散り散りに逃げていったので、イザナギはその隙に黄泉の国へと続く洞窟の入り口を大きな岩で塞いだのです。
この謂れから、大岩に代えて、丸石を村境に置いて、悪弊が村中に入ってくるのを塞ぎ止めるようにしたのが、甲州などで発達した丸石道祖神の始まりと考えられています。
単体道祖神や双体道祖神の中には、笏を持つ道祖神が見られます。
笏の持ち方は、両手を重ねて持つ・右手を上にして持つ・左手を上にして持つ、のように様々です。
ドンド焼きは、小正月(1月15日)前後に行われる火祭りです。道祖神近くの広い場所(主に畑)に、オンベ竹(御幣竹)や御神木を立てて、お正月のお飾りを燃やして、厄落としとする行事です。
場所によって、ドンドン焼き、トンド焼き、サイト焼き、サイトバライ、サギチョーと呼ばれています。ドンド焼きの風習が無い地域もあります。
ドンド焼きの火で、団子を焼いて食べると、病気にならない。書初めを煙に乗せて高く上ると字が上手になるとも言われています。ドンド焼きの灰を、家の周りにまくと、蛇が来ないとする地域も。
年末や小正月前に、子供たちが集落をひいて巡回して、金品(お飾りを集めることも)をもらい受ける風習があります。
ドンド焼きを行う場所は、河原や畑などの回りに燃える物が無い場所を確保しなければならず、道祖神のすぐそばとは限らない。
小正月の十四日朝に行いところが多いが、生活習慣や環境から、変わってきている。子供たちが少なくなった、どんど焼きをやる場所がなくなったことなどから、やらなくなった土地も増えています。
道祖神を本格的に探すには、下調べと現地踏査、データ取得・整理が重要です。
まずは、ネットや図書館(できれば、その地区の)で多様な情報を入手します。道祖神の種類・特徴・大きさ、画像など。
次に、かすかな情報から、場所の推定と特定を行います。GoogleStreetViewで見つかればラッキーです。また、先人が作ったGoogleMapsがあることもあります。大まかにこの辺で探すと決めることも多いです。
現地調査は、基本的には徒歩での調査となります。運転中に見つかることもありますが、運転しながら探すのは危険です。調査する道祖神グループに最寄りの駐車場所を、GoogleMapであらかじめ探して出かけましょう。
駐車場所は、公共施設(図書館・公民館、等)の駐車場やスーパー・コンビニを利用することが多いです。可能であれば、広い路肩を利用することもあります。
慣れてくると、道祖神がありそうな場所に近づくと、ピンとくることがあります。集落の入口・旧道と新道の交差点、集落の中心・神社の周辺をくまなく探します。
ようやく見つけたら、位置情報の取得・撮影(周辺と現物を三方向から・露出に気を付けて・絞り開放に近くして、背景をぼかす)・記録(地名・種類・特徴・大きさ、他)を忘れないで行います。
地域の人に逢ったら、挨拶をかわしましょう。道祖神を調べていることを告げると、思わぬ情報を得ることがあります。また、道祖神が見つからなかったら、どんどん聞きましょう。
家に帰ったら、データベースなどに、記録します。gpsはカシミール3Dに記録すると便利です。撮影した画像はすぐに現像して、情報と共にブログにアップしています。
見つからなかった場合は、分かった情報から再度ネットなどで調べなおします。二度三度と訪れて、違った道や・方向から探すと、見つかる場合があります。